
「vibe coding」という言葉を初めて聞いたとき、正直なところ「またバズワードか」と思った。でも実際に試してみると、特に動画制作のスクリプト・ナレーション生成において、これは本物だと確信した。
AfterEffectsを20年近く触ってきて、動画制作の中で一番嫌いな工程は何かと聞かれたら迷わず「脚本・ナレーション原稿書き」と答える。映像を作る技術はある。音楽会社にいたころはMVの撮影・編集も経験した。ただ、文章を書くのは別の話だ。
ところがvibe codingを活用してClaudeに「脚本を書いてもらいながら、自分がフィードバックを返す」というサイクルを繰り返すと、驚くほど自分の意図に近いスクリプトが短時間でできあがる。この記事では、その具体的な手順を紹介する。
vibe codingとは何か:動画制作における定義
元々はAndreau Karpath氏が提唱した「自然言語でコードを書かせ、自分は意図と方向性だけを管理する」開発スタイルのこと。これを動画制作のスクリプト生成に応用したのがここで紹介するアプローチだ。
従来のプロンプトエンジニアリングとの違いは「一発で完成させようとしない」点にある。
- 従来:「30秒の商品紹介動画のナレーションを書いて」→ 出てきたものをそのまま使う(か大幅修正する)
- vibe coding的アプローチ:まず構成メモだけを投げて反応を見る → 気に入らなければ「もっと感情的に」「数字を入れて」と会話する → 方向性が決まったら詳細化 → 最後に全体を流す
このサイクルを3〜4ターン回すと、自分では書けないような質の原稿ができあがる。しかも早い。
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- Premiere Pro: カット編集、テロップ、色調整など、動画編集の全てをこなす万能ツール。
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実際のワークフロー:ClaudeCode×スクリプト生成
以下は実際に使っているフローだ。ClaudeCodeを前提にしているが、APIを叩けるなら同じことができる。
Step 1:コンテキストを最初にまとめて渡す
いきなりスクリプトを頼まない。まず「このチャンネルの想定視聴者・トーン・禁止ワード・尺」を一括で渡す。
CHANNEL_CONTEXT = """
チャンネル名: [名前]
想定視聴者: 中小企業の代表・担当者 / 動画制作に興味があるが時間がない
トーン: 親しみやすく、でも専門性を感じさせる。過剰なテンション禁止。
動画尺: 90秒(ナレーション文字数 360〜400字)
禁止ワード: 「革命」「驚愕」「衝撃」「ぶっちゃけ」
"""
このコンテキストを最初に渡すだけで、出てくる文章の質がまったく変わる。
Step 2:構成の骨格だけ先に作らせる
いきなりナレーション全文を書かせると、AIは「それっぽい文章」を埋めようとして薄くなりやすい。まず構成だけ。
「上記のコンテキストを踏まえて、
テーマ:AfterEffectsで5分以内に作れるオープニング動画
の構成メモを箇条書きで作って。
各パートのメッセージと尺の目安も入れて」
ここで自分の感覚とズレていたら修正する。「2番目のパートは不要、代わりに具体的な数字を入れて」など。
Step 3:パート別に書かせる
全文を一気に書かせるのではなく、決まった構成のパートごとに書いてもらう。「イントロだけ3パターン」のように複数案を出させると選びやすい。
Step 4:全文を結合して通し確認
各パートが決まったら「これを一本のナレーション原稿として統合して、読み上げたとき自然な流れにして」と頼む。このときリズムの調整も合わせて依頼する。
音声合成への接続:ナレーション原稿からTTSへ
生成したスクリプトはそのまま音声合成(TTS)に渡す。現在使っているのは以下の3つ。
| ツール | 用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| Nijivoice | 日本語ナレーション | 感情表現の調整が細かい |
| ElevenLabs | 英語・多言語 | 自然さが抜群。有料プラン必須 |
| VOICEVOX | ローカル・無料 | ずんだもん等。コスト0円 |
スクリプト生成からTTSまでをAntigravityのワークフローに組み込むと、テキストを入力するだけでナレーション音声ファイルが出力される仕組みができる。このパイプラインを一度構築してしまえば、あとは内容を変えるだけで使い回せる。
ブライダル動画での実例:急ぎの案件でvibe codingが助けた話
結婚式のエンドロール動画は、内容の構成が毎回ほぼ同じだが、コメントの文体だけは各カップルのトーンに合わせる必要がある。AfterEffectsでテンプレートを作って運用しているが、ゲストコメントの文章校正に意外と時間がかかっていた。
あるとき、前日の夜に新郎側のご両親から「コメントが長すぎて画面に収まらない」と言われたことがある。文字数を削りながらニュアンスを保つのがプレッシャーだった。その案件以来、Claudeに「この文章を○○字以内に自然に要約して、感情的な核心部分だけ残して」と依頼するようにした。一発で使えるものが出てくる確率が格段に上がった。
限界と注意点
vibe codingによるスクリプト生成はあくまで土台だ。以下の点は人間の判断が必要になる。
- 事実確認:商品の機能説明や会社の歴史など、固有情報は必ずファクトチェック
- クライアントの口癖・NGワード:長期クライアントにはその人特有の言い回しがある。プロンプトに事前登録しておく
- 感情の微調整:AIは「悲しみ」「感謝」の表現を量産できるが、本当に刺さるコピーは結局人間が最後に手を入れることが多い
まとめ:vibe codingは「ゼロからイチ」の負担を劇的に下げる
動画制作で一番つらいのは、白紙から最初の一文を書くことだ。vibe codingはその「ゼロからイチ」の段階をAIに任せ、自分はディレクターとして品質を引き上げることに集中できる仕組みだと思っている。
映像表現の技術を磨くのに20年かかった。でもスクリプト生成のワークフローを整備するのに、今は1週間もかからない時代になった。
次のステップとして、生成されたスクリプトをRemotionのJSONデータとして渡し、タイトルカードやテロップを自動生成する仕組みも整備中だ。そちらはまた別の記事でまとめる。
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